「トールだトール!このでかさと覆面とTバック!」
「ぅわ!!ちょっ・・主!?」
覆面とマントをぐいぐい引っぱって、次に手近にいたサマエルに飛びつく。
「サマエルだサマエル!真っ赤!目も!羽も!全部ある!」
「・・・・・・(くすぐったいらしい)」
「フトミミさんだフトミミさん!縦ジマ浴衣!チョンマゲ!顔色悪い!」
「はは、泥から生まれているからね」
「ハーロットハーロット!骨!獣!飲みっぱなしの変な杯!」
「ホホホ、多少カンに触るが無礼講じゃ。好きに言うてたもれ」
「フレス!フレスだ!ふかふかだけどやっぱり冷たい!」
「ジュンヤ!ジュンヤ!ちょっとあったかくなったジュンヤ!」
「ピッチだピッチ!目が長い!たまには口閉じろ!乾燥するぞ!」
「・・・イィ・・・(無理って言ってるらしい)」
「マカミマカミ!やっぱり平ぺったいし柔らかい!」
「ギャ!?コラヒッパンナ!」
「ブラックだブラック!相変わらず無愛想!」
「・・・地だ・・・」
「ケルだケル!やっぱり抱きごこち一番だよな!」
「・・・(喉を鳴らしてる)」
俺はみんなの間を触ったり叩いたりしながら走り回り
最後に意味不明な言葉を放って俺は東京の空をあおいだ。
どうしよう、どうしよう!
こんな嬉しかったのって生まれて初めてなんじゃないかって思うほど
気分が高まってどうしていいかわからない。
神様!神様!
いるのかいないのかわからないけど
いたらありがとうって言わせてくれよ!
俺の大事なものを取らないでいてくれてありがとうって言わせてくれよ!!
「・・・・・・オイコラ少年」
・・・あ、忘れてた。
たった一人放置されてたダンテさんの恨めしそうな視線が
ケルベロスに抱きついていた俺にささった。
実はそのダンテさんの近くにいたミカエルの顔に
ざまあみろって書いてあったりするんだけど。
「あ、うん。そういえばダンテさんも久しぶり」
「・・・つれないな少年。なんで俺だけそんなドライな態度なんだ?」
俺は近くでふらふらしてたピシャーチャの長い目を一つ取って
びしとダンテさんに突き出した。
「だってダンテさんに会った時ってロクな事ないじゃないか。
イケブクロも第3カルパも第5カルパもいきなりだったし今度の待ち伏せも
さっきおどかしたのもそうだ。何か言い訳ある?」
「・・・・・・・。・・・・一応ある」
両手上げて降参状態なダンテさん。
それはたまにケンカして俺が折れなかった時よくした動作だ。
「驚かせるってのも最初はあったんだがな。
それとは別に全員一致の意見があって、こうして結託したってわけだ」
「全員一致?」
へぇ、めずらしいな。
ミカエルとハーロット、トールとダンテさんなんてつまらないことでよくケンカして
メギラオドンで焼いてからストック送りの刑にしてたのに。
「で、みんなの意見て何?」
ダンテさんはちょっとだけためらうような素振りをして話し出した。
「・・・ストックの中でそいつらと話した。
お前はもうすぐ元の世界を取り戻す。だが同時にオレたちの役目も終わり
人の世界に戻るオマエに、悪い思い出を引きずらせるお荷物になる」
・・・あ・・・。
「だが幸い、オマエは残留するだろう契約や
おそらく残るだろう悪魔の身のことについてまで気付いてない。
で、そこの連中はオレを囲んである賭に出た」
みんなを親指で指しながらダンテさんはさらに続けた。
「最後の別れの時、もしオマエが決別の決意ができて笑って別れられたなら・・・
オレもこいつらも、今後一切オマエに干渉しない。
だがオマエがこいつらと心から笑って別れずに
まだオレ達みたいな連中のことを引きずって生きてるようなら
スキを見てもう一度お前の前に現れよう。
オマエの心を・・・あのクソったれた世界に繋ぎ止めないためにな」
・・・・・。
「・・・みんなが?」
「あぁ」
「ダンテさんも?」
「・・・・・」
無言はおそらく肯定。
いつもクールで余裕たっぷりな表情が
なんだか叱られる子供みたいだ。
「・・・だいたいな、元はと言えオマエが悪い」
「え?」
「あの時オマエがきちんと笑ってあの世界と決別できてたなら
オレも今ごろ店で羽を伸ばしてたろうし、こんな五月蠅い連中ともおさらばできたんだ」
「・・・・・」
吐き捨てるような乱暴な物言いに、嫌悪感はのっていなかった。
「・・ハ、くだらねえな。オレに依頼してきたあのジジイも
そこにいる奴らも、オマエも、それに付き合って結局ふりまわされてる俺も・・・
そろいもそろってとんだ物好きばかりときたもんだ」
・・・・・・・・。
・・・・そっか。
俺があの光の下で、みんなに大丈夫だと笑ってあげようとして
辛い事、嬉しかった事、悲しかった事、色々思い出しすぎて
結局・・・最後の最後で泣いたこと。
みんな・・・心配してくれてたんだ。
「・・・ダンテさん」
「ん?」
「ぅおらーー!!」
「っ!?」
ゴン!!
素でびっくりするダンテさんへ俺は気合いと共にタックル。
あの時の分も含めるくらい思いっきり飛びつく。
タトゥーが出たから悪魔の力も全開だったんだろう、ダンテさんは受け止めきれず
転んで後頭部を打ったからスタイリッシュ台無しもいいとこだ。
「イっ・・てェ!急に飛びつくな馬鹿力!オマエ確かマサカドゥスつけっぱなし・・・!」
「うん、ゴメン・・・・・・」
襟首をつまみあげようとしていた手が止まる。
かわりに頭の上から舌打ちの音がして
背中が痛くない程度にポンとたたかれた。
「・・・謝るな。おあいこにしといてやる」
「うん・・・ごめんなさい」
「・・・ガキ」
「うん・・・ホント・・・ごめん」
「だから謝るな」
皮の感触が頭を乱暴に撫でる。
顔を上げて照れたように笑うと、固唾をのんで見守っていたみんなが
ようやく笑った。
「はは、ようやく君の本来の顔が見れたような気がするよ」
「・・・もう、みんな悪魔なのにそろって物好きなんだから」
「ホォーッホッホ!それもこれもそこにおる主の影響やもしれぬのう」
肉のない顔でおかしそうに笑うハーロットの横で
俺の3倍くらい身長のあるトールの身が、なんだかかわいそうなくらいに縮まる。
「・・・出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ない」
「あぁほら、すぐあやまるのはトールの悪い癖だ」
「主も負けぬほど色々と悪い癖を多くお持ちですが」
「サーマーエールー!」
しれっと毒を吐いた赤い邪神の羽をひっぱろうとのばした手は
横から割り込んできたフレスにすりすりされて届かなかった。
「ジュンヤジュンヤ!うれしい!すごくうれしい!おれもうれしいうれしい!」
「ぅわ、よせ!冷たいってもう!」
「・・・・・・。・・・・ワレモ」
「っ!ちょ・・ケルまで!?わ!よせって!くすぐったい!」
大きな鳥と大きな犬にもみくちゃにされて
寒いやらくすぐったいやら暑苦しいやら。
でも2匹共あんまり嬉しそうだから邪険にもできなくてちょっと困ってると
横からトールがひょいと肩にひっぱり上げて避難させてくれた。
「やめよ。あまり主を困らせるな」
「ア、トール!ジュンヤトッタトッタトッタ!」
「取っておらん。おぬしは忠誠の仕方が過剰なのだ」
視線の下の方でフレスとトールがわいわいもめている。
ケルベロスは黙って俺を見上げていたけど
やっぱりなつきたりないのか黒くて固そうなシッポがせわしなく揺れていた。
・・・ふふ、トールの肩の上って久しぶりだ。
そういえばトールってこの中で一番後に仲魔入りしたのに
一番俺の世話を焼いてくれてたような気がするな。
「トールずるい!ジュンヤひとりじめずるいずるいずるい!」
「人聞きの悪い事を言うな。そもそも主は我ら皆の主であって・・
痛っ!こらつっつくな!」
「ははは。いいよトール。おろして」
とんとんと頭を叩いてそう言うと、トールはちょっとためらって
大きな身体をまげて片手を出してくれる。
俺は下でウロウロしていたフレスとケルに「待て」と手で命じて
トールの手でワンクッションおいてから地面に降り
何か言いたそうにしていたフレスのひんやりした頭を軽く抱きしめた。
「ごめんな、俺・・・自分の事ばっかり考えた」
「??」
よくわからないのか腕の中でフレスの首が傾く。
「元の世界に帰りたくて・・・無理にみんなの事忘れようとした。
俺が今まで生きてたのも、こうして元の世界に帰ってこれたのもみんなのおかげなのに・・・
思い出すと寂しくなるからって、みんなの事忘れようとした」
やっぱりよくわからないのか右へ左へ、くきくきと首が動く。
「・・・最低だよなこんな主人。みんなの事より自分の・・わ!?」
話の途中にいきなり服を引っぱられる。
見ればケルベロスが不機嫌そうに眉間にシワをよせながらパーカーのはじをくわえていた。
「主、我ラヲ侮辱スルカ」
「え?」
「主ヲ侮辱スルコトハ、スナワチ主ニ仕エル我ラスベテヲ侮辱スル事ニナル」
「い、いやそれはそうだけど俺はそう言うつもりで・・・」
「そうだね。そうなるかもしれないな」
そこでなぜか大体俺の味方だったフトミミさんが俺の意見をさえぎった。
「私たちは契約と言う名において君に従っている者ばかりではない。
君の人柄、性格、力、意外性、色々なものが各自従うに値すると思って君の前にいるんだ。
そこの悪魔狩りの人も含めてね」
言われたダンテさん、まぁ違ってないなとばかりに肩をすくめた。
「だから私たちの主人を悪く言うのはそれを慕う私たちをも悪く言うのと同じだ。
たとえそれが・・・主人自身であってもね」
俺は何も言えなかった。
俺は元の居場所と引き替えにみんなを捨てようとした。
けどみんなはそれを知っていて、それでも俺についてきてくれる。
間抜けな俺、馬鹿な俺、薄情な俺、一人じゃ何もできない俺。
そんな俺についてきてくれるみんなを悪く言えるわけがない。
そういえばいつだったか仲魔の誰かが言ってたな
召喚主と呼ばれた悪魔は一心同体だって。
「・・・うん、みんな、ごめん」
「それもまちがってるよ高槻」
フトミミさんは彼しか言わない俺の呼び名を言いながら首を振る。
「そうゆう場合はごめんではなくて、ありがとうと言う方がいいんだ。
その方が・・・私もうれしいからね」
この人、いや、ほんとは鬼神なんだけど・・
この人ほんとに人間じゃないのかなってたまに思う。
だってこんないい笑顔できるんだから。
「・・・ん、そうだね。ありがとフトミミさ・・うわぁ!?」
いきなり服を掴まれぽいと投げられたと思ったら、今度は視界が急に高くなって
目の前にいきなりベールにつつまれた骸骨がドアップで見えた。
「ホォーッホッホッ!見よ見よこれがあの人修羅にして魔教皇の成れの果て!
やはり存在する世界で表に出る部位も天と地の差があるようで
ほんに面白おかしなものよのうホォーッホッホッホ!」
ぺたぺた頬をさわってくる手に温度は全くないけれど、すごく細くて柔らかい。
・・・わかっちゃいたけどハーロットって女の人だな。
でも至近距離でこの笑い声だけは勘弁してほしいんだけど・・・
あ、でもひょっとして、ハーロットも嬉しいのかなあ・・・ってぉわ!
なんて考えてるとぐいと強い力に腕を引っぱられ
視界が赤から金に切りかわる。
「・・・あ、あのさミカエル、俺物じゃないんだから
たらい回しにするのやめてほしいんだけどな」
「苦情は後で聞こう。トール頼む!」
と、しごく真面目に言いつつ
ミカエルは抱えていた俺をトールにぺっとパスする。
・・・・・・お前たち、実は俺のこと尊敬してないだろ。
「何度言えばわかる悪女!主に無礼を働くな!」
「ホォーッホッホ!そういきり立たずともよいではないか天使長。
わらわ達再び主の前に姿を現すことができた祝いではないか」
「無礼講にも限度というものがある!そもそも貴公は主を持つ身として・・・」
・・・また始まった。ミカエルのエンドレス説教説法。
ハーロットはべつに何も言わず笑ってるけど、結局全部聞いてなくて
またミカエルを怒らせてはエンドレスに続くんだよなあ。
と、思ったらハーロットが毒気の立ちのぼる杯を優雅にゆらしながら
意外なことを言い出した。
「おや神の如し者、そなたこのしばらく
わらわに意見できる行動をしておったのかえ?」
「ぅ!」
「ここしばらくストックにおらぬかったかと思えば突然戻ってきて
わらわ達に主の状況を報告できるとは・・・
大天使とはほんに便利なものよのうホォーッホッホ!」
ミカエルがあからさまに狼狽するのを見て、俺はふと思い立った。
そう言えば・・・ダンテさんが広い東京で俺の居場所知ってたり
こうやって1人になるのを見計らって出てきたのって・・・・・・
「・・・ミカエル、ひょっとして・・・
俺のこと、東京が戻ってからこっそり見てたり・・する?」
表情豊かとはいえない彫りの深い顔が
おもいきり、困ったようにしかめられる。
そうだ。ミカエルは神の如し者って言われてて
神の右腕なんて存在だって言われてたんだ。
ストックを抜け出して俺の監視をするなんてわけないかもしれない。
ダンテさんが最初に召喚させた事といい、召喚した時のあの顔と
いまさっきのハーロットの口ぶりからして・・・
「・・・ミカ、さては第二首謀者だな」
俺の問いかけと疑惑の視線に
立派な翼が半分くらいにしゅんとたたまれた。
・・・まったく
やってることがまるでおつかいに出した子供を心配して尾行した親みたいだ。
でも・・・間違ってないかもしれない。
ミカエルはちょっと融通がきかなくて難しいこと言うけど
主と仲魔の関係があっても悪いことは悪いって言ってくれたし
あの最後の戦いの時もそばにいてくれた
あっちの世界の親父代わりみたいなものだったから。
「・・・・・・ま、いっか。
俺も同じ立場だったら同じ事をしたかもしれないし」
「おや、怒らぬのかえ?」
「いいよ。ミカエルの気持ち、わからないでもないから」
ミカエルがホッとしたようにかるく息をついて、翼が元のサイズに戻る。
はは、なんだかんだ言ってもこの石頭な大天使もけっこう表情出てきたな
なーんて思ってると、今度はサマエルが目のいくつもある顔を寄せてきた。
「ジュンヤ様、無礼のついでというわけではないのですが・・少々ご相談が」
「ん?何?」
「実はこのたびの件で、我々は魔人ダンテにある依頼をしました」
「・・・あぁ、確か俺が今度のことに気付かなかったら教えにくるってやつだろ?」
「はい。実はその依頼料、主の支払いで契約されているのです」
・・・・・・・。
なんですとーー!!?
「ちょ、ちょ!ちょっと待って!なんで俺!?」
「我々は宝石もしくはマッカでの支払いを提案したのですが
宝石には興味がなくマッカもこの世界では使えないと言われ
さらにダンテ氏は「手下のツケは主人が払うのが当然だろ」と言い張り
こちらの要求をがんとして受け付けてもらえず、私どももやむなく・・・」
「待て!待ってよ!お前達借金のスキルもなしに何勝手な事してるんだよ!」
あぁあああ!ダンテさん、ものすっごくイヤな薄笑いしてるし!!
「申し訳ありません背に腹は代えられないもので」
「しれっと言うな!!お前っ!よりによってダンテさんに借金か!?!
だいたい事後承諾なんて何考え・・ぐえ!?」
「ヤメテオケ主。ハネ返サレル」
物理反射があるのを忘れてサマエルに掴みかかろうとしたら
後からケルベロスにのしかかられた。
「ひどい!信じられない!
何があっても借金だけはしないのが
俺人生のきまりだったのにーー!!」
ケルの下でもがいてわめく俺のそばに
問題のダンテさんが片膝をつく。
「オイオイ人聞きが悪いな少年。オレはなにも金で返せとは言ってないぜ?」
見上げるとダンテさん特有の意地の悪い笑みがあって
めったやたらと不安がかき立てられた。
「・・・・・金で返さないって・・・何?」
「きまってるだろ」
ぎらりと光るような目に俺は凍り付き
次に出た言葉に心臓をぶちぬかれた。
「お前の身体で払ってもらうんだよ」
「ぎゃーーー!!ケル!!
どいてケルーーーー!!!」
渾身の力で暴れ出した俺を何とか押さえつけながら
俺の上のケルベロスがダンテさんに向かってガウ!と吠えた。
「悪魔狩リ!!冗談ガスギルゾ!!」
「HAHAHA!!やっぱりそう取るか少年!」
「笑ッテイル場合カ!!サッサト弁解シロ押サエキレン!」
「肝心なところでジョークの通じねぇ奴だ」
「オマエノジョークハタイミングガ最低ナノダ!!」
聞いてるとどうやら俺が考えていた最悪の事態だけは避けられているらしい・・
・・んだけど、俺を下敷きにしたまんまケンカするのはどうかと思うぞ。
「まぁともかくだ少年。オレが言う身体で払うってのは
観光案内をしろって意味だ」
「・・・・へ?」
「何しろここへ来るなり東京受胎ってやつに巻き込まれて
東京見物もなにもできずにボルテクスに放り出されたからな。
帰りの旅費はチャラになったが、行き二回の旅費は当てにしてた
ジジイの依頼を蹴った時点でチャラになっちまってる」
・・・そういえばダンテさんが俺の退治依頼をされたのって
アマラの底にいた老紳士だったっけ。
でも結局ダンテさん、その依頼を放り出して
俺に1マッカで雇われたから・・・
ハッキリ言ってタダ働きもいい所だ。
「前にも言ったな。オマエは特別だって」
皮肉屋なダンテさんには珍しい、楽しそうな笑みがふともれる。
「観光案内のバイトが行き二回の旅費とそいつらの依頼料。
釣り合わせるにしても破格の仕事だと思わねぇか、ジュンヤ」
・・・破格どころか。
この人の損得勘定は何でできているのか。
悪魔を楽しげにバリバリ斬って捨てるかと思えば
その悪魔の輪に入り、同じ悪魔と楽しそうに戦って
たまにその悪魔と子供じみたバカなケンカして、子供みたいな悪魔の俺に怒られて
今度はわざわざ悪魔との約束を守るために海を越えて来るなんて。
ホントにこの人は・・・
いい人なのか悪い人なのか怖い人なのか
バカなのか策士なのか、未だにどれかハッキリしない。
まぁ強いて言うなら・・・
「・・・オマエ、今オレの事変な奴だと思ってるな」
わお、やっぱりお見通し。
「・・・いや別に前から思ってた事だし・・・っていてててて!!!」
痛て痛て痛て痛て!ほっぺたちぎれる!!
ドーーーーン!!
ケルがのいてくれたのとダンテさんが横っ飛びに飛んだのと
その鼓膜が破れそうになる音はほぼ同時。
たった今までダンテさんのいた俺の前には、トールのハンマーがめり込んでいた。
4へ