それはそれはお天気のいい昼下がり。
緋竜は見なれてきた赤い鎧の集団の中を、一人てくてく歩いていた。

今日は蜀の陣に手の空いている人がいないので
小喬か黄蓋か誰かに遊んでもらおうと探しているのだ。

一見して完全蜀ルックの緋竜も今ではすっかり呉の顔なじみになり
時々すれ違う兵という兵がいちいちあいさつをしていってくれるので
緋竜はぺこぺこと頭を下げるのに大忙しだった。

「・・・・」

ふと、緋竜の足が止まる。
風の運んできたにおいの中に、知っているものがあったのだ。
なにやらふんふんと臭いを嗅ぐようなしぐさをして緋竜はふらふら歩き出し
遠目に見なれた後姿を見つけて近づこうとして・・・止まった。

「いや、それよりも物資を軽減して重量を軽くした方がいい。
 風下に配置させれば予定より早く・・・」

特徴のある後姿は何か話し込んでいるようなので
邪魔しては悪いと少し離れて待っていると、少しして話しこんでいた兵と別れた呂蒙は
視線に気づいたのか、こちらを見て難しい顔をようやくくずした。

「あぁ、来ていたのか」
「・・・・」

緋竜、ちょっと距離をおいたまま首をかしげる。

「少しくらいならかまわんぞ」

忙しそうなので邪魔したら悪いなと思っていた緋竜は
その言葉に目を輝かせ、遊んでもらえる子犬のようにてーっと寄って来て
髭とか髪を触りたがるが、さすがにそれは止められた。

緋竜が呂蒙を気に入っているのは
髭とかボサボサの髪とか面白い感触がいっぱいあるから・・・
・・・なのかどうかはわからない。

「しかし・・・小喬様は都督殿の視察についていって
 黄蓋殿も子義と色々とあって今は不在だぞ?」

事の次第を察知して緋竜がしゅーんとなる。
しっぽと三角の耳があればどちらも下を向いてしまっていたかもしれないが
ともかく呂蒙は緋竜の頭にぽんと手を置いて少し笑って見せた。

「はは、そんな顔をするな。大喬様ならそろそろお戻りになるから、それまで・・・」
「呂蒙殿ー!」

そう言って走って来るのは
彼の名を呼ぶ回数が呉内でおそらく最も多いかと思われる
若手軍師の陸遜だった。

「先程報告された資材の件で・・・・・あ、緋竜さんこんにちは」
「・・・・(呂蒙に隠れつつ頭を下げる)」
「あれ?今日は小喬様と一緒ではないのですか?」
「今朝から都督殿の視察についっていってしまったからな。
 今相手をしてくれそうな人材を探していたのだが・・・」
「・・・そうですか」

言いながら陸遜、呂蒙を見ながら何か考え出す。
しかし彼が人の顔を見て考えをまとめるのはあまりいい思考ではない。
それを知る呂蒙は少し嫌な顔をして先に手を打とうとしたが・・。

「では、ここは一つ呂蒙殿がお相手するのはいかがでしょう」
「・・・は?」

予感的中。
しかも移動力と同じく陸遜の行動は実に素早い。

「今日の指示の方はほとんど行き届いていますか
 後は私と孫権様でもまかなえます。
 呂蒙殿もたまの機会ですから羽をのばされるのもよいのでは?」
「こ・・こら陸遜!何を言ってる、今どんな時期かわかって・・・」
「あ、そういえば尚香様や甘寧殿にたまの内冶をしていただくにはよい機会ですね。
 後は私が手配しておきますからご心配いりません。
 はい、それはお渡しして下さい。いえいえどうぞ遠慮なさらず」

物腰は丁寧だが言い方のパーツがさりげなく押しつけがましい最年少。
しかも有無を言わせぬ早さで呂蒙の持っていた資料や書管のたぐいを
まるでバーゲンの争奪戦のごとき勢いでひったくっていく様は
もはや青春真っ盛りの10代とは思えない手際のよさ。

「では蜀の保護者方には私から連絡を入れておきますから
 くれぐれも他人に押し付けるなど無粋な真似をなさらないように」

ここまで来るともう反論するだけ無駄なのを呂蒙も知っていた。

「では緋竜さん、暗くなる前には帰るんですよ」

とどめに尊敬する先輩を眼中から完全にシャットアウトし
さわやかに、しかし二人分のかざばる事務書類をかかえたまま
呉最大の移動速度で陸遜はその場から去っていく。

残されたのは手ぶらの呂蒙と
その服をつまんで目を丸くしている緋竜のみ。

「・・・間違った育ち方してるぞ・・・お前」

心底げんなりしたように仕事を取られた呂蒙は
誰もいなくなった空間に無駄で悲しいツッコミを入れた。

「・・・まぁあいつは孫策様と違って
 後に傷を残さん奴(言いかえると巧妙)だから心配ないか」
「・・・?」
「とは言え・・・」

いきなり二人きりにされても呂蒙としては困る。
今の今まであれこれ戦についての作戦を練りあげていた頭を
急に子供対応に切り替えるほど、いくら知に武に器用な呂蒙でも
そこまで器用な頭をしていない。

困ったように頭をかくと、緋竜がどうかしたのかと首をかしげた。

「あいつが言った手前、遊んでやりたいのはやまやまだが・・・
 何しろ俺は小喬様や策様のような、遊び心というものがあまりないからなぁ」

緋竜、首をかしげたまま少し考えて
呂蒙の袖をつまむと軽く引っぱって、あらぬ方を指さし始める。

「・・・あぁ、そうか。俺が考えずとも、お前に一任すればいいのか」

なにも呂蒙がこれからの予定を考えてやらなくても
緋竜は遊びなれているのだからそれに付き合えばすむ話だ。

「よし、ではどこで何をする?」

緋竜は袖をにぎったまま片手を前後にゆらすようなしぐさをする。
魏延と孫策なら一発でわかるだろうが
あいにく呂蒙にはそれだけでは何の事かはわからない。

「・・・ま、いいか」

連れて行こうとしているのだから、ついて行ってみればわかるだろうと
呂蒙はともかくわけもわからないまま
袖を引かれる方へついていってみることにした。

ちなみに、その姿はどこからどう見ても
仲のよい父と娘にしか見えなかったのは言うまでもない。




ついていった先にあったのは、陣の片隅にある大きな木の下。
その枝には二本の縄がつるされていて、木の棒が一本くくられて風にゆれている。

緋竜は呂蒙の袖をはなすと、今で言うブランコに座り
呂蒙に後へ回るように手で指示した。

「・・・あぁ、そういえばこんな遊びもあったな。確か・・・こう・・・」

どこかに残っていた記憶をほりかえし、緋竜の背中をゆっくり押す。

緋竜が前へ行って、押したより多く戻ってくる。
うんうんと緋竜が楽しそうにうなづいたので、それでいいらしい。

「よし・・・じゃあ・・・こうか!」

横に立ってすれ違い様、さらに強く押すと
風を切って前へ行き、さらに多く戻ってきた。

「それ!」

戻ってくるたび強く背中を押してやり、緋竜の乗る棒は
どんどん高く上がっていく。

ある程度高くなってきたので背中を押すのをやめてながめていると
行ったり来たりする緋竜がとても楽しそうに笑っているので
呂蒙もついつられ、仕事に追われて忘れていた久しぶりの笑みを浮かべた。

しばらく見ていると緋竜は低くなってきた棒からぽーんと飛び降り
呂蒙の背中を乗って乗ってと押してくる。

「ん?・・・なに?俺もか?」

うん、と当たり前のように緋竜がうなづく。

呂蒙、かなり変な顔をしたが断って悲しそうな顔をされるのも悪いので
縄を引いてみて重量に耐えられるかどうか安全を確かめてから座ってみると
いつもの鎧で武装しているにもかかわらず縄も枝も軽くきしんだくらいで
切れたり折れたりする様子はなかった。

「・・・しっかり作ってあるな。誰が作ったんだ?」
「・・・・・」

緋竜、ちょっと考えて・・・

「・・・だんご」

と言った。

「だんご??」

団子?弾後・・・段後?

そんな名の人物、蜀にいたか?
まさか食い物が遊び道具を作るわけがないだろうし・・・

「念のために聞くが・・・・食う団子か?」

首をふる。
違うらしい。

「名前は?」
「・・・とのと、せんせいと、ひにい」

推理すると・・・

との    =蜀の殿だから多分劉備
せんせい =字を教えている関羽と推測
ひにい   =流れからして張飛と断定


・・・・あぁ、それでだんごなのか。


呂蒙、なぜか元ネタを思い出して妙な納得をし
ついでに「自分が一番次男♪」というフレーズと長い髭の男をを思い出し
ブッとかるく吹き出してしまった。

「・・・しかし蜀の重臣の作った物を・・・俺が使用していいのか?」

緋竜がすすめてくれたのでいいとはわかっていても、どうにも気が引けるので
一応聞いてみると緋竜はうん、と一つうなづいて、呂蒙を座らせると後から縄を握り
棒のあまっていた部分に足をかけて後からぴょんと立ち乗りしてきた。

「お、おい・・」

あわてて見上げても緋竜は早く早くと目を輝かせているばかり。
多分一緒に使えばいいのだと思っているらしい。

「・・・・まったく」

結局、大の大人は子供にはてんで弱いらしい。
地面を蹴って重心を後へうんとゆらし、前へ後へ。
何度か地面を蹴ると、緋竜がうまく重心を動かしてくれてゆれも大きくなっていく。

おっさんが、見た目いい年頃の娘と仲良くブランコ。

あらためて文章にしてみてもかなり違和感のある光景だったが
実の所、呂蒙も楽しそうな緋竜につられちょっと楽しくなってきていたりする。

しかし緋竜は立ちこぎになれているのか
なんだかどんどんゆれる大きさが大きくなっていき
呂蒙、楽しいついでにだんだん怖くなってきた。

「お、おい、ちょっと高い!」

あやうく90度になりそうな大胆なゆらし方に
呂蒙があわてて抗議すると、ゆれは少しして半分になる。

二人乗りの不安定な状態であそこまで高く上げるとは
父に似ていらぬ度胸、というか胆力がついてきたのか。

などと考えていると低くなったブランコから緋竜がひょいと器用に飛び降り
こっちこっちと元気に手招きを始めた。

「今度はなんだ?」

にこにこしてる緋竜についていくと、しばらくして何の変哲もない草むらにたどり着く。
何がしたいのかよくわからないので様子を見ていると
緋竜がそこでしゃがみこんでごそごそ何かやっている。
なにをしているのかとかがんで見てみると、小さい花をつんで何か作っていた。

普通なら花冠を作るはずなのだが、緋竜の編んでいるそれはやけに小さく
腕輪でも指輪でもない変な形をしている。

「・・・何を作っているんだ?」

不思議に思い聞くと、緋竜は一度だけ視線をくれて
また一生懸命手を動かし始める。

できたらわかると言いたいらしい。

しかたなく呂蒙は緋竜の正面にあぐらをかいて待つ事にするが
悪戦苦闘している緋竜を見ていると・・・・

そこでふと、ある事に気がついた。


遊び相手はたくさんいる。
義理の父も母も師も兄貴分もいる。

だが・・・こいつの本来の父と母は誰なのだろう。
どこから来て、どこへ行こうとしているのか。
どうしてこうも人に好かれ人を乱し、そして人を癒すのか。

そして何より、こいつは何なのだろう。

考えてみれば・・・今までなんとなくで向き合っていたが
目の前で何かを作っているこいつは、やたらに謎な部分が多い。

この娘は元々どこの誰の子で、一体何者なのか。

そんな単純な疑問を今まで野放しにしてきた自分を情けなく思いながら
呂蒙はまだ花と格闘している緋竜にその疑問をぶつけてみようと
口を開きかけたのだが・・・。

「・・・・」

やっぱりやめた。


・・・俺もまだまだ、だな。


自照しながら頭をかいていると、視界ににゅと何か入ってくる。
見ると緋竜が何か花を編んだよくわからないものを持って差し出してきていた。

「・・・くれるのか?」

うんと緋竜はうなづく。
手にとって縦から横から、裏返して見てみたりもしたが
やっぱりそれは何なのかよくわからない。

困ったような顔をしていると、緋竜がふいに


「・・・お守り」


と小さく言った。

そう言えば・・お守りというか護符というか、そう言われれば・・・そう見えなくもない。
護符というにはちょっと素材が安易で安上がりかもしれないが
編み方も形も意外にしっかりしているので
そう言われれば御利益がありそうに見えるのも不思議なものだ。

「そうか、器用だな」
「・・・・」
「ありがたくもらっておこう。出陣の際にはつけておくからな」

そう言って頭をなでてやると緋竜は笑おうとし・・・


「・・」


ほんの一瞬、ひどく悲しそうな顔をしたように見えた。


「・・・緋竜?」

気付いた呂蒙が声をかけると
緋竜は首を横にふってなんでもないと笑う。

けれど・・・

「なんでもないわけないだろう。どうした?」

その一瞬があまりに悲しそうな表情だったので、呂蒙はわけを聞こうとした・・のだが
ちょうどその時、何やら騒がしくもありえないような
奇怪な音が突然耳に入ってきた。


ガチャガチャガチャガチャぞッ!がりりーー!!


何か重たそうな物が走って来てすべってころんでこすりつけるような音に
呂蒙はあわてて立ち上り緋竜を背後にかばう。

だが少しして飛び出してきた右半身泥だらけの変な人物は
敵でも刺客でも急ぎの伝令でもなかった。

が、味方というにも多少抵抗があって
目が殺気立っていて全身からオーラと雷が発生してたりするのだが。

「・・・・!!

猛将出現

ではないがそんな言葉が今ぴったりすぎるほどよく似合う
すべって転んでどろんこになった猛将馬超孟起。

睨み殺せそうなほど鋭い視線を無言で呂蒙に突き立て
持っていた槍を構えてバリバリの戦闘体勢をとる。

しかし握られているのはなぜか姜維の龍顎閃。

「・・・・・呂蒙殿、どういう事ですか」

何となくは予想していたが、やはり出てきたのはそんな台詞。
おおかた陸遜の連絡網から事の次第を聞きつけて
仕事も部下も放り出し、たまたま通りすがった姜維の槍をひったくって
全速力で走って来たのだろう。

「・・・いや本当は大喬様にでも世話を頼もうかと思っていたのだが
 近くにいた連中がたまには俺にやれと言って・・・仕事を没収されてしまった」

当たり触りのないように部分的に脚色して話してみたが
やはり血がのぼると人の話を聞かない性分らしく
怒りマックス猛将モードの馬超からオーラも雷も消えてなくならなかった。

「だからと言ってこのような人気のない場所に来られるとは何事か!!
 急な指示や伝令や緋竜に何かあったときの対処はどうされる!!」
「・・・いや、すまん。俺も少し軽率・・・」

連れてきたのは緋竜だとは言わず、呂蒙は素直にあやまろうとしたが
言葉の途中で緋竜が横から出てきて呂蒙の片袖をつかみ
馬超に向かってしっかり首をふってみせる。

呂蒙は悪くないから怒ったら駄目、と言いたいらしい。

緋竜には甘くて弱い馬超なら、普段ならここでおとなしく引き下がるのだが
今日は緋竜を前にしても強気な態度を変えようとはしない。

「・・・緋竜、どきなさい」
「・・・・・」

しかし緋竜も負けてはいない。
凄い目をする馬超をかるくにらみ、頬をふくらませる。

「・・・緋竜、聞こえたろう。そこをどきなさい」

だが素直にいう事を聞くはずの緋竜は、さらにしっかりした動作で首をふり
何を思ったのか呂蒙の袖をはなして二人の間に立ちふさがった。

「緋竜!!」

いつもなら怒鳴れば驚いて人の背後に隠れるか
緋色の目を丸くして怯えたような顔をする緋竜は
それでも首をふって、滅多に開かない口を開いた。

「・・・ばちょう、けんかしたら・・・みんな困る」

馬超が一瞬ぎくりと身体をこわばらせる。

これから戦わねばならない相手は二つの国の協力なくしては倒せない事を
軍事不介入であるはずの緋竜がちゃんと知っていて
呂蒙ともめごとをおこそうとしている馬超を
悪い事をしていると思い、食い止めようとしているのだ。

馬超はそれに気付いて少し思案した後
ようやく構え解き、ぎこちなくだが沈黙を守っていた呂蒙に頭を下げた。

「・・・・・・もうしわけない。少々先走りが過ぎました」

声色はまだ怒っているが、自分から頭を下げたなら
もう飛びかかって来る事はないだろうと呂蒙はほっと胸をなでおろす。

「いや、俺もそちらの方々に配慮すべき所があった。以後肝に命じよう」
「そうしていただきたい」

しかしやはり馬超、緋竜と二人で仲良くしてたのを怒っているのか
さすがに敬語は失わないが「・・・てめぇだけは気にくわねぇ・・・」と
目から放たれる殺人光線のような強力なガンが
ケンカしてポリスメンに補導されるヤンキー軍団のように物語っていた。

ぐいぐい

と、その時恨みの視線をはなっていた馬超の袖を緋竜が少し強めに引く。

「・・・ん?なん・・わ!?

表情を切り替えきれずに多少むっとしつつ、耳をよせようとした馬超の顔を
緋竜はなぜかいきなり立派な兜ごとぎゅう〜と抱きしめた。

「の!?たっ!?こっ・・・こら!よせ緋・・!」

馬超がもがいてわたわたするが、緋竜が何か小さく言ったのを後に
ピタリとおとなしくなって変な体勢のまま固まってしまう。
呂蒙の所からでは何を言ったのか聞き取れなかったが
緋竜の一言が馬超に絶大な影響力を発揮したことだけはわかる。

口数が少ない分、言葉の重みが大きい子だからな。

そんな事を考えながらしばらく見守っていると、緋竜がやっと馬超を放し
何かバツの悪そうな馬超が咳ばらいをしながらこちらに向き直った。

「・・・呂蒙殿」
「ん?」
「緋竜が三人で遊びたいそうです」
「・・・は?」

三人?と念のため周囲を見回しても自分達以外他に誰も該当しないので
そうするとやはりこの場にいる三人しかいない。

お前本気か?という言葉を呂蒙はギリギリで飲みこむ。

「では緋竜、何がいい?
 今みんな忙しいから敗走鬼ごっこと・・・追い討ちごっこ、玉璽ごっこはできないし
 語流後ごっこも迷惑になりそうだから駄目だ。それ以外になにかあるか?」

だが馬超は呂蒙の意見も聞かず早くも遊ぶ気満々。
それ以前に元から緋竜と二人きりにするくらいなら判断をあおぐ馬超ではない。
いろいろ耳慣れない言葉に眉をひそめつつ、呂蒙はため息をついた。

「・・・では俺もあまりその子の世話にはなれておらんので協力を頼めるか?」

「・・・喜んで」

言い方は丁寧だが「貴様に緋竜をどうこうする選択権なし!!」
横にいる緋竜に気付かせず、とても器用に一点集中で殺気を放射してくる馬超に
呂蒙は頭をかかえたくなるような思いで一杯になった。







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