「・・・・っ・・・・」

ジュンヤ達が塔の外で話をしているころ
若き日のダンテはチカチカする目を押さえながら
誰もいない螺旋通路で1人ゆっくりと起き上がっていた。

しかし起きてみたものの、何かが色々とおかしい。

まず自分が倒れている場所に自分の足で来た記憶がない。
そして自分が倒れていた原因にも心当たりがない。
ざっと確認してみても頭にも身体にも外傷はなく
大切な剣も銃も背中にちゃんとある。

おまけにどういったわけか全開にしていたコートが
まるで『風邪ひくぞ』と言わんばかりに前でしっかりと止められていた。

「・・・悪魔にのされた・・・わけねえよな??」

わからないことが多すぎて座り込んだまま首をひねっていると
視界のはじにちらりと何か光る物がうつった。

「・・あ」

それはよく見ると、今まで道を進む鍵を取るためさらに必要になり
たらい回しでイライラしつつ散々探しまくっていた鍵になる槍だ。
それは通路の薄暗い中、目立たないように少し光っているだけで
遠くから見ると周りにある明かりとあまり区別がつかない。

どうりで見つからないわけだ。

畜生!こんな所にありやがって!
 ややこしいんだよクソッ!!」

などと罵りながらそれを力まかせに引っこ抜く。

その間にそれまで考えていた疑問のたぐいは
怒りと彼のあまり深く考えない性格によって綺麗に忘れさられていた。

「あの野郎・・会ったら店の弁償代に迷惑料も追加だ!
 だいたい自分で招待しといてやり方がいちいち回りくど・・」

そこでふと

若いダンテは頭に何か不思議な暖かさが残っているのに気がついた。

手ではらってみても別に何ものっていない。
撫でてみてもそこにはいつもの自分の髪があるだけだ。

「・・・なんだ一体??」

なんだかよくわからないが
そんな記憶がないのにまるで誰かが頭を撫でてくれたような
そんな感覚が残っている。

しかもそれが不思議なことにやけに心地いい。

若いダンテは槍を片手にかしかし頭をかいた。

「・・・ま、いいか」

なんだかよくわからないが、心地いいなら別に害はないだろうと
若いダンテは深く考えずに手に入れたばかりの鍵を手に
誰もいない螺旋廊下を1人ぶらぶら歩き出す。


彼がその手の主に会い
たくさんの悪魔とどんちゃん騒ぎをおこすのは
まださらに年月と経験といくつも重ねた

まだずーーっと先の話。










つーわけでここはミッション5です。
ここで右往左往した人は多かろうって事で。

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