.アレから始まる新天地

「・・?おいそこの・・(名前呼ぼうとしてやめた)
 ・・ボロ雑巾のように汚れた女」
「(軽装の傷だらけで)ん?あれ、バージルじゃない久しぶり。元気してた?」
「人の心配をしている場合か貴様は。なんだその汚れ方は。
 それに以前の物々しい装備の数々はどうした」
「いや〜・・それがさ、いい物件付きでハンター募集してるって村に
 何気なく引っ越してみたのはいいんだけど
 今まで作った装備とか荷物とお金、持ってくるの忘れちゃって」
「・・・・」
「また戻って持って来るのもちょっと面倒だし
 仕方ないからこっちでまた新しい装備作り直してるんだ。
 けどこっちの生き物ってのは妙なのが増えてて
 視界が悪かったり夜中で見えにくかったり
 おまけに大物がやたらウロウロしてるわでもう散々
 ・・?なに変な顔してるの?」
「・・・前々から考えていたが・・・お前は馬鹿なのか?」
「あぁうん。それは自分でも時々思う。
 でも長々考えても結果的に同じってこともあるでしょ」
「・・・・・・・」
「心配しなくてもちゃんとやれてるよ。
 これでも結構しぶとい方なんだから」
「だっ・・誰がするかそんなもの。
 お前なら巨大生物に轢かれようが踏まれようが大事ないだろう」
「あぁ、それ前ヤドカリのでっかいのに何回かやられた」
「・・何だと?」
「砂漠にいたでっかい骨をカラにしたでっかいヤドカリでさ。
 もぐって下から串刺しにしてきたり飛んで踏みつけてきたり
 それより小さい・・つっても人くらいはあるヤドカリと混戦になったりで
 もう死ぬか死なないか、やるかやられるかの大騒動だったんだから。
 それでも何とか殴り倒しはしたんだけどね」
「・・・・・・・・」
「ほらほら、また変な顔しない。人が寄りつかなくなっちゃう。
 あ、そうだ。もうちょっとしたら荷物とか狩り場も落ち着くから
 もしヒマだったらウチにおいでよ。
 近くに釣り場もあるし簡単な食事くらいは出せるからさ」
「・・・・・(凄い怖い顔で見てる)」
「じゃあね。無理にとは言わないから
 気が向いたら声かけてね(簡素なハンマー下げてふらふら去っていく)」
「・・・・・(やっぱり怖い顔してるけど、ただ単に悩んでるだけ)」


多少の資金と道具は引き継いだようですが
少々難易度が上がってて困りましたよ・・もう。




.ちょっと微妙な板挟み

「・・あれ、今日はまぁ普通に落ちてたけど・・
 おーい、そんな所で座り込んで何してるの?」
「・・・・(顔を上げてもの凄い恨みがましい目)」
「?あ、そうか。声かけてって言っても
居場所知らないんじゃ声かけようがなかったか」
「・・・詰めが甘いどころか・・!
 約束のとりつけ方が根本から間違っているぞ貴様!」
「いやごめんごめん。
 真剣に悩んでたみたいだからそこまで気が回らなかった。
 で?来るの?ウチに」
「・・!く・・来るも何も・・!」
「?・・・まさかまだ決めてなかった?」
「き・・決めていたが!
 居場所を探す間に気が変わった!(訳:忘れた)」
「じゃあ来ないの?」
「・・・(やっぱり怖い顔で固まる)」
「・・考え込むの好きねぇ。
 別に都合が悪いなら誰か他の連中に声かけるけど?」
「!そうか!その手か!」
「?どの手?」
「そこで待っていろ!すぐ戻る!(ダッシュでどこかへ行った)」
「??なにトイレ?」

数分後

「(魔人状態で何か小脇に抱えて戻ってきた)来たぞ!これでどうだ!」
「?どうだって言われても・・・それ、ジュンヤだよね」
「・・(ぼてと降ろされて)いて・・あ、どうも・・こんにちは」
「連れてきたって事は・・つまり一緒に行くって事?」
「(自信満々に)人畜無害」
「・・・・・。まぁいっか。事情は聞いてる?」
「・・いえ、何だか急に鬼気迫る勢いで走ってきて『来い』とだけ」
「・・ま、事情は追々話すから、夜になる前に行こうか」
「・・また物騒な事になったりしませんか?」
「そうはしないつもりだけど、状況次第ね」
「(一番後ろから黙ってついてくる)」
「ところでレイダさん、髪切ったんですか?」
「あぁ、防具の関係でちょっとね。ぱっと見誰だかわかりにくいでしょ」
「・・そうですね。かなりばっさり切ってあるから声とか髪の色とかでわかりましたけど」
「?でも後ろの子はボロ状態の無言でもすぐ見分けてくれたけど」
「あ・・それはその・・」
「(その横を競歩のような勢いで素通り)」
「わ、こら!あんたが先に行ってどうするの!村までの道知らないのに!」
「ノロノロ歩いて無駄口をたたくな」
「・・・また妙な事に巻き込まれちゃったかなぁ・・」

クロオビヘルムがなくなったのでガレオスヘルムに変更し
事件簿にいたころみたいな装備になりました。




.マイハウス

「はい、ここが新しい我が家というか寝床というか、マイハウスね」
「わ、結構中は広いですね」
「外見に反して中は広い・・か。以前とは逆だな」
「?バージルさんは前に来た事あるんですか?」
「・・・借りを返しに愚弟と仕方なく」
「そうそう。あの時は弟君が話も忠告も聞かないから
 1人でポコポコやられて楽しかったなぁ」
「・・ダンテさん、若い時から話聞かない人だったんですね」
「(顔背けた先でこっそり笑ってる)」
「えっと、それじゃあ空いてる所に適当に座ってて。先に荷物の整理するから」
「あ、はい・・ってあれ?ネコの置物・・じゃない?!
「あぁそれ本物。前に見たことあるでしょ?
 アイルーって言ってここを借りた時給仕にってついてたの」
「ネコが食事を作るのか?」
「食材はこっちで調達しないとダメだけど、ちゃんと作ってくれるよ」
「うわー!かわいいー!撫でてもいいですか?」
「怒られない程度にならどうぞ」
「うわかわいい〜!二本足で立ってるけどやっぱりかわいい〜!」
「・・俺には妙な立ちポーズをとらされたはく製に見えるが」
「まぁいいじゃない。野外で殴りかかってこられたり爆弾投げつけられたりするよりも」
「・・野生はそうするのか?」
「・・こっちのはそこそこ凶暴でね。
 うまく敵意がないのをアピールすれば平気なんだろうけど」
「レイダさんレイダさん!しかもしゃべって語尾がニャですよ!
 すごいから1つもらってもいいですか?!」
「・・いや、落ち着こうよ。さすがに無理だし。
 でもその子の料理食べてみる?食材のストックは結構あるし」
「・・・・(胡散臭げな目で睨んでくる)」
「・・や、妖しい生き物の肉とかあからさまな虫とか
 毒の入ってる物はあんまりないから」
「少しはあるのか」
「あるけど今は持ってないだけ」
「・・レイダさんも正直ですね」

大仕事の前には食事をして体力や防御力が上がったり下がったり




.いろいろ大事に

「えーっと、今ウチにある材料はこんなところだけど
 2つ選べばネコが勝手に作ってくれるから、どれか適当に2つ選んで」
「待て。材料はリストとしてではなく実物を見せろ」
「・・疑り深いなぁ。まぁいいや。
 確かにその方が分かりやすいし(ごそごそ出す)」
「・・?これってネギかな。これはパンで、これは・・鮭?」
「それはスネークサーモン。ここの川で取れたやつ」
「・・ヘビと魚のどっちですか?」
「泳いでたから魚じゃない?たぶん」
「・・・・。じゃあ俺こっちのお米みたいなのと、この鮭みたいなので」
「ふんふん、銀シャリ草とスネークサーモンね。
 似たようなのにこっちの米虫ってのもあるけど」
「・・・や、虫はいいです。小さいけどさすがに虫だし」
「(かなり考えた末2つ掴んで)これとこれだ」
「ジャンゴーネギとサシミウオ?ずいぶん普通な選択ね」
「先程から何か嫌な予感がするのでこれでいい」
「・・ちッ。じゃああたしレアオニオンとホピ酒。
 (テーブル叩いて)おーい、今ので注文ー」
「(向かいの席につきながら)舌打ちくらい多少隠せ」
「・・・(いつの間にか馴染んでるなぁと思ってる)」

中略

「ういげっぷ。ごちそうさまー
 ・・って、ちょっと食べるの遅くない2人とも」
「・・いくらなんでもレイダさん食べるの早すぎですよ。
 あと食べる前に思いっきりよだれ拭くのとか
 食い散らかすみたいにガツガツ食べるのはどうかと・・」
「(ゆっくり食べながら)食事をトレーごと投げつけてくるネコは無視か」
「いやそれはそれでネコなんで仕方ないかなーなんて・・
 でもバージルさんは何も言う事とかないんですか?」
「ネコもそうだがそいつはそれで通常なのだろう。ならば言うだけ無駄だ」
「まぁね。狩りの最中の一瞬でも気が抜けない時に
 速攻で食べないといけない時もあるから」
「・・でも家にいる時くらいゆっくり食べれませんか?」
「そうは言ってもクセだし。ま、気にしない。
 ところでそれ、美味しい?」
「あ、はいそこそこに。でもこれ料理名とかあるんですか?」
「えっと、それはオッタマケーキであたしの食べたのがポッコリフライ
 んで、そっちで丁寧に食ってるのがコロコロッケ」
「・・!(軽く噴出しかけた)」
「・・変わった名前ですね。って言ってもこっちじゃ普通なんですね」
「そうね。重要なのは名前より季節と組み合わせだし」
「季節と組み合わせ?」
「食材によっては時期と組み合わせでマイナス効果起こす物があるの。
 今は繁殖期だから食うと卵で当たる魚もいるし
 時期はよくても組み合わせ次第で当たる場合もある」
「・・・当たった場合・・どうなるんですか?」
「腹壊して体力、スタミナ、防御攻撃どれかがへる」
「ちょっと!どうしてそれを一番先に言ってくれないんですか!」
「先に言っちゃうと食材選ぶ楽しみがなくなるでしょ」
「いや違う!思い出す限りの様子からして
 そりゃ絶対人で実験して当たったら笑おうとしてたんだ!」
「・・・(もう文句つけても無駄だと思ってるので1人もくもくとコロッケ食ってる)」

ヒドイ話ですが自給自足なので笑える話です。




. それでもこの人はハンターなのです

「(ストックボックス引っかき回して)・・・ダメだ。肉を焼きに行こう」
「(その手伝いで食材を整理しつつ)な・・何ですか急に」
「知らない間に生肉がごっそりたまってる。
 このままじゃ罠にしか使えないから焼きに行かないと。
 (いろんな物を引きずり出して)ついでに壺で種を作って虫もとって、あと釣りだこれは」
「・・・あの・・・スミマセン、言ってる意味がまるで不明なのに
 ぼんぼん荷物を投げて渡さないで下さい」
「あ、ゴメン。実は今渡したやつ、みんな外で加工しないといけないやつで
 生肉を焼くのはもちろんとして、その壺は中に物を入れて発酵させる道具なの。
 ホントは全部ここで出来れば楽なんだけど・・」
「・・(調合した薬を突き出して)出来たぞ」
「あ、はいご苦労さ・・・ん?9個?」
「・・・・1つはこれ(もえないゴミ)に・・・」
「・・調合確率95%だったよね」
「・・・(目ぇそらしてる)・・・」
「ま、いいか。たーった5%に〜よく当たる〜♪」
「歌うな!!」
「それでその・・肉を焼きにどこへ行くつもりなんですか?」
「砂漠の谷間みたいな所にね。そう熱くない場所だし危なくもないだろうから
 荷物はみっちり持っていってもOK」
「・・許可を得る前からもう持たせる気満々だろう」
「とか言うわりに釣りエサを袋に詰めるのは早いのね」
「趣味だ」
「うお開き直った」
「(苦笑いして)それじゃあ釣りの道具と壺と肉と、あと虫あみですか」
「うん。これは一カ所でしか使わないけど・・あそうだ。パス(バージルに投げる)」
「?(一応受け取る)」
「あれ、親父さんと違って似合わないね」
「・・こんな物が似合ってどうする(投げ返す)」
「じゃあピッケルは(投げる)」
「・・・(やっぱり受け取る)」
「んーダメか。じゃあこれは(返ってきたピッケルの代わりにトウガラシ)」
「遊ぶな(やっぱり受け取ってから投げ返す)」
「じゃあこれなら?(小タル爆弾を投げる)」
!!(ギリギリ受け取った)」
「うーん、なんか釣り竿と魚以外は何持たせても似合わないようになってるなぁ」
もっと他に言うことがないのか貴様は!!
「・・・・(なんかもうこのやり取りにも慣れてきたので生暖かく見守ってる人修羅)」

・・あかん、こんな事してたら永遠に出発しそうにないよこの2人。




.いくつかの実話を練り込んだ話

「はーい、砂漠到着〜。それじゃ今から安全地帯を確保しに少し歩くから」
「・・その前にレイダさん、さっきから気になってるんですけど
 その背中に背負ってるピンクの丸いの何ですか?」
「あ、これ?ちょっと見たくれは悪いけど、現時点で一番使い勝手がいい弓なの」
「・・俺はまた鈍器の一種かと思ったが」
「・・まぁそうも見えるけど威力と性能を考えると今はこれが一番だし
 それに今回練習用に持ってきただけなんだからとやかく言わないの。それじゃ行こうか」
「?・・レイダさん、そっちは古井戸ですけど」
「今から行く所はこっちの方が近道なの。ここを降りて少し歩けばすぐだから」
「(古井戸のぞいて)あ、ホントだ。道になってる。よくこんな道見つけましたね」
「いや見つけたんじゃなくて兄貴に教えてもらったの」
「お兄さんがいるんですか!?」
「うん。(携帯食くばりながら)これでも一応3人兄弟のまん中なの。
 全員ハンターなんだけど実際に会った事はまだないのよねこれが」
「・・・(携帯食を手にじーと見てくる)」
「あ、いっとくけど似てないから。外見も中身も。
 兄貴はバリバリの狩猟派で、弟は服と髪型にこだわる変なヤツだって話だし」
「でも全員ハンターならいつかは3人で狩りをしたりするんですか?」
「そうね。そうできたら一番いいんだろうけど
 全員の都合が合うって事もそうはないだろうしね」
「・・・・」
「コラコラ、あんたが暗い顔してどうするの。確かに会えないのは残念だけど
 今あたしの前には動いて喋るのが2人もいるんだから。
 (頭ごしごし撫でて)本格的な狩りはできなくてもあたしにはそれで十分だよ」
「あた・・いた・・わかりましたから・・ちょっと痛いです」
「・・・(何か言おうとしたが黙ってる事にした若兄)」

いくつか実話です。いつかは3人で狩りしたいなぁ。
ちなみに現時点装備ワイルドボウVにハンターUヘルム
チェーンSメイル、レザーライトSアーム、レザーライトSベルト、シルバーメタルブーツ。
外見はさっぱりしてるけどピンクの毛玉みたいな物を背負ってる設定。
でも高速採集で物を取るのと採掘は素早いです。




.ネタは新聞の切りぬきから

「うわ・・ホントに砂漠の谷間みたいな場所に出ちゃった」
「ここまでは砂漠の熱もこないから時々アイテムのやりくりに来るんだけど
 ただ先客がいるってのが自然の摂理でね」
「あそこにいるカメに似た恐竜(アプケロス)の事か」
「うん。一応草食なんだけど気性が荒くてさ。見つかると大体は向かってくるの」
「・・前に見た灰色のとは違う種類ですね。尻尾も何だか怖そうだし」
「(弓を組み立てて)でも目はそうよくない方だから近づかなければ大丈夫。
 それじゃ安全地帯の確保といきましょうか」
「え!?あんなでっかいの弓で倒すんですか!?」
「時間はかかるけど遠くから射ってれば安全だし
 それにヘタにほっといて気付かれると色々やっかいだからね」
「(閻魔刀構えて)駆逐する気がないのなら邪魔にならない場所にいろ」
「んー、そうね。ジュンヤにはちょっと大きいし間合いを知ってないとケガしそうだから
 ジュンヤはコレを目につくところに埋めといて」
「・・え・・壺?」
「前に言った中の物を発酵させて変えるヤツ。
 さっき太陽草入れといたから5分くらいで中身が変わるの。
 あ、それとヒマならこれもやっといて(肉セットしたよろず焼きセット渡す)」
「・・・・(両方受け取って何か言いたげな顔)」
「(遠くの獲物を見据えて)あの図体では以前のイノシシよりも耐久力は上がるな」
「でもそう素早い動きもしないから近づきすぎなければ平気。
 それじゃあたしは正面から貫通させて射るつもりだから後はお好きに」
「そうさせてもらう」
「・・・・(壺と焼き器を手に物怖じしないのもある意味凄いなと思ってる)」

数分後

「よし最後の一匹終わりと。これで心おきなくこのエリアは使える。
 おーい、そっちはどう?」
「壺はあそこに埋めましたけど・・なんか煙出てますよ?」
「あれはそれでいいの。煙の色が変わったら掘りおこして
 中を出してまたこの草と調合してもう一回ね。
 あと肉は・・・あ、2つコゲたじゃない」
「地響きとか何かの悲鳴とか聞こえてきたから集中できなくて・・」
「んー、ま、いいや。今のでまた生肉が入ったし
 焼きと釣りと虫取り、分担してやっていこうか。
 それじゃ肉焼きと釣りと虫とり、どれがいい?」
「釣り(即答)」
「・・じゃあ俺虫の方で」
「それじゃあたしが肉焼き担当ね。
 虫は向こうに見えるくぼ地で取れるけど、見えない所には行かないようにね」
「(虫網かついで)はーい、じゃあ行ってきまーす」


「♪〜(鼻歌まじりに肉焼いてる)」
「・・・・(その近くで黙々と釣り)」
「いや〜平和ねー」
「先程までしつこいほど恐竜を射っていたのはどこの誰だ」
「あはは、それはそれ、これはこれ」
「・・・(一匹釣り上げるが怪訝そうな顔)」
「あ、それ大食いマグロ。一応食べられるけどストックしといて」
「・・・(袋につめて次のエサをつける)」
「(肉を焼きながらその背中見てる)」
「・・・何を見ている」
「ん?いやちょっと思い出した話があってさ。
 どこかの国の古い話らしいんだけど・・聞く?」
「一応」
「えーと、どんなくだりだったか忘れたけど、確か1時間幸せになるには酒を飲んで
 3日幸せになるには結婚して、8日幸せになるにはブタをさばいて食べればいいんだって」
「・・・・(振り返ってかなり胡散臭げな目)」
「・・そんな目しなくたって前に飼ってた子は食べてないわよ。
 で、最後に永遠に幸せになる方法っていうのがあるんだけど、聞きたい?」
「必要ない」
「お、やっぱりそう言うんだ」
「・・?」
「(ニコニコしながら)永遠に幸せになるには釣りを覚えろ。
 どこの話だったか忘れたけど、最後はそんな話だったよ」
「・・、ば・・馬鹿馬鹿しい。そんないい加減で曖昧な話が信用できるものか」
「そりゃまあ古い話だしどこの話かも忘れたけど
 あたしとしては結構あってる話だと思うな」
「・・・貴様やはり馬鹿だろう」
「ま、賢くはないけどね」
「・・・・・・」
「それに結婚が3日しかもたないってのも結構笑える話だし」
「・・・それは笑い話なのか?」
「さぁどうなんだろ。結婚したことないからよくわかんない」
「・・・(ちょっと複雑な顔して釣り続行)」


新聞にたまたまのってておっしゃ使おうと思ったネタ。
いや笑っちゃダメなんだけど。




.物理的な事を無視した釣り

「ただいまー。レイダさん、いつもの事だけど見たこともない変な虫が採れました」
「お、のりこね3匹だ。それは鎧とかの繋ぎに使う虫なの。
 採れる確率はそこそこ低いんだけど、さすがに運がいいわね」
「・・その分別の所で不運をくらってるような気もしますけど」
「コラコラ、自分で言って自分でへコまない。
 そこで地味に幸せを楽しんでるお兄さんを見習いなさい」
「?楽しんでる・・・・んですか?」
「えーと、さっき話したんだけど・・かくかくしかじかでね」
「・・へえ。そう言われてみればそんな気もしますね。
 まだ飲んだことないけどお酒もそうだし。
 ・・でも結婚が3日ってのはヒドくないですか?」
「あはは。やっぱそう思うでしょ」
「・・・本当にくだらん」
「あ、そうだ。壺の方はもう掘ったから次をお願い。
 で、次に詰めるのは・・」

 ゴボボ

「?レイダさん、今何か変な音しませんでしたか?」
!!しっ!今から全員動かないで!」
「・・今の音、水中からか?」
「・・あのさ、当たってると思うけどそこにあったカエル、エサにした?」
「他の物と一緒にしてあったので大物用のエサだろう」
「・・いやまぁ大物は大物なんだけど
 それは特定のを釣るエサだってのを先に言うべきだったね」
「?一体何の・・うっぐ!?
来た!!(折れそうな竿を一緒に引っぱって)
 離しちゃダメだよ!引きずり込まれる前にこっちに上げて!!」
「うわ!な・・何ですかあれ!?魚じゃない!?」
「大物にもほどがあるぞ!!何だあの熱帯魚と漁船をたしたような生き物は!?」
「ガノトトスって竜の一種!ホントはあんなバケモノ行きずりで釣っちゃいけないんだけど
 引っかけちゃったものはしょうがない!上げるよ!!」
「本気ですか!?!」
「この状態では・・!やるしかあるまい!!」
「よしそれじゃ1、2の・・さん!!

ズボーーン どべしゃーーー!!

「でっか!?でかすぎる!人間の釣る生き物じゃない!?」
「(弓組み立てて)あたしも最初はそう思ったけど
 釣れちゃうものはしょうがないし、釣った分には責任もたないと」
「(竿を閻魔刀に持ち替えて)これだけの大きさだ。さぞ大量のサシミになるだろう」
「・・あのスミマセン。たくましいのはすごく頼もしいんですけど
 たまには物怖じするとか逃げるとかいう選択・・(ブレスをギリギリ回避)ぎゃあ!」
「対属性がなんなのか知らないけど当たらないでよ!
 今日は回復剤持ってきてないんだから!」
「魚のくせに胴体の位置が高いな。足から狙うか」
「それと先に言うけどあれって動きが遅いように見えても
 鬼のような攻撃範囲があるからね。
 なるべくならブレス吐いた後にだけお願い」
「・・珍しく慎重だな。それほどの強敵か」
「実は言うと・・まだ勝ったことないの。
 おまけに逃げようとすると結構な勢いで追いかけてくるし」
「・・何だか小さな幸運の代償に巨大な不運を読んでスミマセン」
「だから凹まない!あっちも飽きたら川に帰るだろうから
 それまで生き残ることを考える!」


一度コイツに背中を向けて逃げた事があるんですが
画面に入れてたのに這いずって追いつかれ、えらい目にあった事があります。
ちなみにトトスの大まかなサイズは25mくらい。
学校のプールじゃせまくて飼えないくらいかな。




.根気はいるけど慣れれば楽

「・・(身を低くして息を殺しながら)あの、レイダさん」
「(その横で同じように身を伏せ、川で釣りしてるバージルの背中見つつ)なに?」
「これっていつまで続けるんですか?慣れてきたとはいっても
 さすがにあんな大きいのと長時間にらみ合うの怖いんですけど・・」
「あたしも最初は適当に切り上げようと思ってたんだけど・・
 なにせコツが掴めてきた上にヒレが倒れちゃってさ。
 こりゃ時間ギリギリまでやらないと勿体ないなと思って」
「・・出来ればわかるように説明して下さい」
「アレはね、攻撃範囲はデカイけど行動パターンさえ覚えれば当たらないし
 大きいからこっちの攻撃も当て方次第では効果的なの。
 それに今日は3人がかりだからさすがに弱ってきてヒレがねてるの。
 ほら、さっきまで水面に出てたヒレがないでしょ?」
「・・あ、ホントだ」
「あれがねたら弱ってる証拠なんだって。
 でもあたしもあぁなってるの見るのは初めてで・・」
(強烈な引きにふんばって)来たぞ!位置につけ!」
「ほらきた!(立ち上がって弓を引きしぼり)何度も言うようだけど
 正面向いた時の這いずりと距離に気をつけて!」
「(一応片手に真空刃ためながら)うぅ・・できればこんなドキドキする戦闘
 なるべくすぐ終わりますように!」
「最も攻撃力がある分際で愚痴をこぼすな!上げるぞ!!」

ざぼーん!どぐしゃーー!!

「(弓を引いて走りながら)頭から首、胴体、尾まで貫通させるように
 足だけの時は一段階、あとは数を当てるだけ!」
「・・レイダさんも狩りの時はちょっと人が変わるんですね」
「腐っても狩猟民族だな」

数分後。

どずーーん

「げ!うそ倒れた!?」
「倒し・・たんですか?」
「・・そのようだな」
「うわすっごーい!これって普通に倒せるもんなんだ!
 うわー!感動ー!これこんな近くで見るの初めてすごーい!」
「あれだけ真剣に狙っといて・・感動の仕方が変ですよ」
「・・はしゃぐのはかまわんが剥ぐのだろう。
 今あと1分がどうとか表示されていたが」
「あ、そうだそうだ。これって4回剥げるんだっけ
 でもホントこれから剥ぐの初めてだ(嬉しそうに腰からナイフだしてバリバリやり出す)」
「それにしてもここって凄い生き物がゴロゴロいるんですね。
 こんなのがたくさんいるから人もたくましくなって・・って、何してるんですか?」
「(巨体に閻魔刀を当てて移動しながら)サイズを計測する。
 本来なら魚拓がほしいところだが、こんな巨大な紙はない」
「・・確かに。あ、レイダさんどうでしたか?」
「(かなり大きい鱗を四枚手にして無言)」
「え?この巨体でそれだけ・・ですか?」
「これだけ」
「でもそれって凄く珍しい物ですよね?」
「釣り上げるだけの報酬でもらえる。ちなみに今30枚くらい持ってる」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・(黙々とサイズ計ってる)」
「(片足でトトスをどぎゅと踏みつけ超至近距離で射ろうとする)」
「レイダさん!それもう死んでますから八つ当たらないでー!」
「・・・(まだ黙々とサイズ計ってる)」

最後実話。
初回でそんな事をされたらリベンジしないわけにはいきません。
くそう。だから初回なんだから色つけてくれたって・・。




10.とりあえず完

「・・むーん、道具の整理ができたのはいいけど、なーんか納得がいかない。
 初めて倒したデカブツからたった4枚の鱗しか剥げないなんて・・」
「でもあんな大きなのに出くわして無事に帰れただけでも運がよかったじゃないですか。
 ・・あ、でも1人ちょっと危なかった人もいますけど」
「・・・(戦闘中這いずりで軽く1回轢かれたお兄さんが横目で睨む)」
「・・・・すみません」
「そりゃあれを初回でよけるのは難しいし
 そんな薄い装備で一撃死しなかったのは確かにラッキーだけど・・
 しかしそれにしたってあの巨体で鱗4枚はないと思わない?」
「だがあれほどの大きさのものを釣り上げ
 なおかつ仕留めただけでも価値はあると思うがな」
「・・んー、それも考え方だろうけど・・でもそう言いきるって事は
 そっちとしては満足な結果だったってこと?」
「26m弱。これほどのものを一本釣りで上げられる者はそうはいまい」
「うわぁもう無表情で嬉しそうに力説して。
 でもあれ30mちょいのキングサイズってのがいるらしいんだけど」
「・・・・・・・・」
「・・・あの・・すごく釣りたそうなオーラかもし出してる所申し訳ないんですけど
 もしそんなのとやりあう場合はつつしんで辞退します」
「あたしも別にサイズにはこだわらないから別にいいや。
 でももし行きたいなら一応声だけはかけてね。骨は拾ってあげるから」
「・・勝手に死亡確定するな」
「応急薬使い切って何とか生き長らえた子が不満そうな顔してもあんまり説得力ない」
「・・・・・・」
「あれとの戦いは1度は耐えても回復剤がないと2度目で死ぬような感じだから・・
 (村の入り口にいる人影に気付いて)あ、ちょっと待ってて」
「?あれって・・さっきもあそこで腕組みして立ってた人ですよね」
「守衛か門番だと思っていたが・・違うのか?」


「おーい教官ー」
「ぬ?何やら見慣れん連中だと思えば貴様だったか。
 ということはあれは新しく村に来た新人か!」
「いやあれはただの客人。それよりはいコレとコレ。納品ね」
「おぉ!いつもスマンな!それにしても貴様
 いつも我輩の必要なものがよくわかるな」
「うんそりゃ頭の上に吹き出しついてる・・じゃなくて、まぁ何となく」
「ふははは!それにしてもあの新人共、随分と軽装ではないか!
 しかも1人は素手で装備がペイントとインナーだけとはな!
 よほどの自信があるのかただ単に我輩と同じくビンボーなだけかは知らんが
 武器の1つでも扱えんようでは立派なハンターにはなれんぞ!」
「だからただの客人だっての。それよか教官もたまには外に出ないと
 あんまりここで突っ立ってると人型の立て看板と間違えられるよ」
「うむ、我輩はいつでもここで待っているぞ!何しろ我輩はヒマだからな!」
「はいはい、気が向いたらね」


「お待たせ。じゃあ行こうか」
「・・何かやたら声の大きい人でしたね。ここまでまる聞こえでしたよ」
「あはは。そういや大声には自信あるって言ってたっけ」
「・・・・(ジュンヤの方じーと見てる)」
「?なんですか?」
「・・いや、考えてみれば貴様の場合
 それすらはいていなければ究極の丸腰だと思・・ごふ!?
「(突き飛ばした手で顔隠して)うわーーもーー!!
 今のバージルさんだけはそんなこと考えないと思ってたのに
 よりによって歴代のダンテさん達とおんなじようなこと真顔で言うしー!!」
「・・な!待て!愚弟がどんな下品な表現をしたのかは知らんが
 今のは単なる比喩かつものの例えで、断じてダンテとは違う!
 パンダの色を一色にした場合頭の大きいシロクマになるか
 頭の大きい黒クマになるかとかいうそういった話で・・!」
「・・(頭ぼりぼりかきながら)おーい、道のまん中で騒いでないでそろそろ帰ろうよ」
「(我に返った)・・と、ところであの無駄に声の大きいのは誰だ。
 様子からして守衛でもなさそうだが・・」
「あぁ、あれはこの村に来た新人ハンターに研修みたいな事をしてる教官。
 ここに来たてのハンターに基礎を教えたり演習を教えたりするんだ。
 あたしは新人ってワケじゃないけど、弓とかの使い方ではちょっと世話になった人」
「・・ハンターの先生みたいな感じですか」
「そうね。つっても本人の腕のほどがどうなのかは知らない。
 でもあの教官いつも元気で声がデカイのに
 ウチに来た時になんでか口調がどもったり丁寧になったりするのよね。
 ご、ご、ご飯でもいっしょにどうですか?なーんてね」
「・・・(急に無表情になって片眉だけ動かした)」
「う・・(何か不穏な空気を嗅ぎ取った)」
「多少あつくるしいけど悪い感じはしないし、言いたい事は大声で言うし正直だし
 まぁなんだかんだで実はちょっと気に入ってるんだけどさ」
「(周囲の空気が真空になった)」
「ば、バージルさん!ほら道のまん中で止まると迷惑ですから!
 帰って荷物の整理しましょうよ!ね!(全身から変な殺気漏れてる背中をぐいぐい押す)」
「?あんた達もたまに行動が妙ね」


アホかわいい(誉め言葉)教官が好きです。
そしてニブイどころかそんな気がアリの触角ほどもない採集ハンターさん。
てなわけでどうでもいいトトス狩りの話、むりやり完。
 





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