「・・・ジュンヤ君とある程度の面識があり
 なおかつダンテと系統が似ているというので安易に承諾したはいいが・・
 しかしさすがにこれは・・・何というか、認識が甘かったと言うしかないな」

「(両手にでっかい銃を握りしめ、猫背でずーんと突っ立ってる)」

「ハグどころか半径10m内に入れば頭に風穴をあけられそうな雰囲気だが・・
 ええと・・グレイヴ君・・だったかな」

「(じーとこっちを見つつ無反応)」

「私は以前、君と一度だけ面識のあった少年と男の知り合いで
 赤いコートの男の方の父に当たる者でスパーダという者だ」

「・・・・・」

「と、言っても君と同じくもうこの世にあるまじき存在だが
 そこは子を持つ親の未練として勘弁してくれ」

「・・・・・」

「いや、君の場合・・人と呼ぶには無理があっても
 確固たる意志によって動いているようだが・・」

「・・・・・(がしゃといきなり銃を片方向けてきた)」

「・・いやすまない。歳を取ると色々なものが見えて
 同時におせっかいが過ぎるようだ」

「・・・・・(その体勢のまま微動だにしない)」

「実は私の息子のうちの1人も、今の君のような境遇にいたことがある。
 その時私は何もしてやる事ができなかったが・・
 君のような者を見ているとそれでもよかったのかも知れないと少し思うよ。
 少々無責任かも知れないが、古い者が早くいなくなる分
 新しい世代の者達は強くなってくれるようなのでね」

「・・・・・」

「・・いや、私のような者がこんな話をしても仕方ないな」

「・・・・(じーとこっちを見たまま急に銃を下ろした)」

「・・?・・いいのか?」

「・・・・(無反応)」

「・・・(なんとも言えない苦笑をして、軽くハグしてすぐ離れた)」

「・・・(やっぱり無反応)」

「・・・なぜだろうな、これは人同士をつなげる親愛の動作のはずが
 君とすると逆にひどく切なくなってしまう」

「・・・・(ふと視線を落として銃を棺桶にしまうと
 最後に一度だけ視線をよこし、ギイギイ音をさせながら去っていった)」

「・・・やれやれ、知らない者同士の親睦を深めるつもりが
 己の立ち位置を再認識させられてしまうとは・・私もまだ未熟なままか」








墓場の2人。・・切ねぇ。

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